2009年10月27日火曜日

雪の八ヶ岳


昨日の雨は、山の上では雪だったようです。

このところ全くブログを更新していないのに、なぜかカウンターだけは動いています。

昨年のリーマンショック以来、経済は停滞し、仕事にも影響が出ていますが、それでも世の中は慌ただしく動いて、あっという間に時が過ぎて行きます。

たとえ経済が破綻しても自然のいとなみは絶えることなくつづき、人もまた成行きに合わせてしぶとく生きて行くのでしょう。

また、時折の更新を続けます。


2009年9月2日水曜日

左官屋さん


外壁の二階部分は、漆喰仕上です。




コンクリートも漆喰も、最後の押さえが肝心です。
昔から腕相撲は、左官屋さんにはかなわない、という位、皆さんとっても力持ちです。
とはいっても、ほとんどの職人がとうに60を過ぎ、これからの業界はどうなっていくのでしょう。



左側に丸く見えるのが、換気扇の穴です。
他のところは、深形フードを取付けていますが、棟の換気扇には、このように縦格子で仕上げることが多いです。
ちなみにこれは、当社の女性職人の仕事です。

いろんな職人さん

最近ブログの更新が少なくて恐縮です。
今日は、完成間近のS邸の様子を報告します。

いつもお願いしている畳屋のAさんです。
最近は、スタイロ畳とかカネライト畳と言って、わらを使った床ではない、断熱材を芯にした畳が増えています。
それに畳表すらい草ではなく、化学繊維でできたものすら登場しています。

今回も本床と言って、昔ながらのわらを束ねて糸で締めてある床を使っています。
表は、無農薬と言っていますが、最低限の薬剤を使った減農薬で栽培された国産い草を使いました。

暮らしが洋風化してきたせいか、新築の家でも和室が少なくなりました。
畳の部屋があると、大の字になって昼寝をしたくなりますね。


建具屋のTさんです。 今日も親子で建具を入れにきてくれました。
父親譲りか、腕の良い豊さんです。将来が楽しみですね。


障子もふすまも納まった、6帖の和室です。
不思議なことに、この部屋を写すとオーブ(白く丸い玉)が現れます。



2009年8月7日金曜日

介護用補助手すり


お客様のお母様が骨折入院され、退院後の補助手すりの取り付け工事をしてきました。
住まいがログハウスだったため壁が一様でなかったり、床暖房の配管が施してあったりと、取付けに工夫を要しました。
でも、実際に手すり伝いに歩いていただいた時の笑顔を見ると、苦労の甲斐があると思います。



今回は、浴室の中にも手すりを取付けました。
段差があったりと、いつもは一人では移動できないところも、手すりのお陰で介助用の椅子まで一人で行くことができました。
老いたからと言っても、なるべく現状の筋力を衰えさせないようにすることが大切です。
いつまでも元気でいてほしいものです。

2009年8月6日木曜日

母子で板張り


外壁完成まで、あとわずか!
今日は、お母さんとお嬢さんで外壁の目板張りです。
もちろん、目板にもウッドロングエコという自然素材で防腐処理をし、仕上げは完璧です。



馴れた様子でくぎを打つのは、和歌山県にある「きのくに子どもの村学園」に通う小学生です。
この小学校には、「劇団きのくに」「工務店」「おもしろ料理店」「ファーム」「クラフトセンター」という完全縦割りのユニークなクラスがあります。
おじさんもこんな学校に行きたかったなぁ。

10月1日から開校する、同じ学校法人の「南アルプス子どもの村小学校」に編入するため、大急ぎで完成させなければなりません。
さてさてどうなるでしょうか。



2009年7月29日水曜日

二階バルコニーの撤去



二階を支えている梁が、そのまま外のバルコニーの土台として使われていました。
輸入住宅のオプションとして作られたようですが、材は米栂(ベイツガ)の様で、比較的節が少ない性質の木ですが、水に対しては耐性が弱いと言われています。



外壁に面するところは、銅板でくるんだようですが、それが却って仇となったようです。
進入した雨水が乾燥すること無く、材を腐らせたようですね。

傷んだ部分をえぐって行くと、室内にまで達しそうなので、雨水の進入を塞いだところで止めておきました。

バルコニーへの出入り口は手すりを取り付け、落下防止のための安全をとりました。

この後は、一階のテラスの改修作業です。

ユニットバス


タカラスタンダードのユニットバスです。
お母様が独り住まいだということで、0.75坪の小さめのタイプです。
在来工法でお風呂を作る事もありますが、寒冷地で凍結事故も起こりやすいことから、ホーローパネルの堅牢さとコストパフォーマンスに優れたタカラの商品をお薦めしています。

セルフビルドでは、力を入れたい部分でもありますが、工期の余裕が無いことと、二棟目の予定も控えていることで、今回は無難な選択となりました。


中古住宅のメンテナンス



ほとんど居抜きの状態で売買された中古住宅のメンテナンスを依頼されました。

ログハウスなので、日本の気候風土に耐えられるよう、こまめな点検修理が必要です。

窓枠も黒カビが付いていましたが、元の白さが蘇りました。

2009年7月13日月曜日

ナターシャ・グジーのコンサート


チェルノブイリ発電所のあるウクライナから来た歌姫、ナターリャ・グジーのコンサートに行ってきました。

2009年7月12日日曜日

豊葦原の瑞穂の国コンサート


今日は、近所の「香芯」という喫茶店で、緊急コンサートがありました。
神道の神職でもあるというめずらしい経歴のシンガーソングライター「涼恵」(すずえ)さんと、脚本家・プロデューサーもこなす多彩なピアニスト「山本実樹子」さんの共演がありました。
カーネギーホールでソロコンサートも経験のある涼恵さんは、残念なことに持病のぜんそくで、コンディションが良くなかったそうです。
また来たいということですので、楽しみにしましょう。



併せて、俳優「松田光輝」さんの日本昔ばなし「はち助いなり」の朗読。
ピアノの効果音で、臨場感たっぷりのお話しを聞きました。
松田さんは、古事記を題材に「ふることふみ」という一人芝居もするそうです。
最近では、演出も手がけ活躍の場面が広がっているそうです。
この秋から公演予定の「マリー・ダグーへの約束」という、芝居とコンサートをつないだステージ、楽しみです。


2009年7月11日土曜日

どうして国産材なのかって?


写真は、製材からあがってきた国産の檜やカラマツの板で、乾燥させるための下処理をするところです。

先日、「これだけ輸入材が流通しているのに、いまさらどうして国産材でないといけないのか?」という声を聞きました。
私としては「はぁっ!?」と逆に、何を考えているんだろうと思ってしまいましたが、現実としては、圧倒的にこういう方が多いんでしょうね。それも建築関係者だという。

最近はフードマイレージと言って、その食べ物がどのくらいの距離を渡って運ばれてきたかということで、環境的な指数を表現するようにもなってきましたが、ウッドマイレージという言葉も使われるようになってきました。
食料の自給率が、約40%と言われています。これも統計的な数字で、問題はあります。
日本では、輸入したとほぼ同じ位の食料を無駄にしています。
木材の自給率はというと、なんと20%までになっています。
ちょっと田舎に行けば、見渡す限りの「みどり・ミドリ・緑」なのに、需要木材の80%を輸入に頼っている。
自給している20%の大部分はチップなどに使用され、住宅用は10%を切っているという話もあります。
よその国の国土を砂漠化したり、表土の流出に遭わせてしまったりしているのも、お金で森を買いあさってきたからです。日本に森がこんなにあるのにです。


食に関しては、「身土不二」という宝のような言葉があります。身体とそのからだを養う大地は二つとない、というような意味だと思うのですが、オーガニックフードの世界では、代表的な表現ですね。
「食」にとことんこだわる人でも、住に関してはまだまだ感心が薄いように思います。
「衣・食・住」と一口に言われますが、住に関しては費用を含めそう簡単には個人の想いを実現するのが難しいからでしょうか。

流通の問題もあります。
でも、出来るところから日本の木を使い、消費を増やして行かなければ、日本の山は綺麗になって行きません。
戦後急激に増えた人工林は、消費のために作られた森です。
それを放置すれば、やはり表土の流出や荒廃につながっていきます。

国は、規制緩和の一環で、国有林も民営化しようとしています。
いのちの水源を自由化し払い下げられたらどうなってゆくのでしょう。
大自然の逆襲は、もう始まっているのかもしれません。


2009年7月9日木曜日

強力な助っ人


以前にも紹介しました、Sさんの友人K婦人がお手伝いにきていました。
すでに人生を堪能された方のようですが、ここにきて新たな楽しみを覚えられたようです。
何事にも興味を持たれ、チャレンジして行く精神には敬服です。

くれぐれも足下などお気をつけ下さいませ。

いよいよ外壁張り


今日から外壁工事。
Mさんたちに取っては一週間ぶりの現場です。
防腐効果のある自然素材のウッドロングエコを塗った杉板を、縦に張っていきます。
土台のところに水切りを付けずに、板張り下り収めのため、下端を均一にする工夫を凝らしています。




筋違い以降の窓枠、サッシ入れ、間柱など外壁下地が出来上がった様子です。
初めて金槌をふるうにしては、上等の出来映えです。
この辺で性格が見て取れますね。


2009年7月2日木曜日

造作工事中


ここは二階の24帖の広間です。
創作の間として隣の部屋とも仕切りを設けずに使いたいという事です。

現在断熱材を入れて杉の本実5分板を張っているところです。
断熱材は、パーフェクトバリアという名称の、ペットボトルから作られたリサイクル商品です。
石油製品ではありますが、日本で回収された資源を使って作られているところが気にいっています。
暖かさは、通常使われているグラスウールより遥かに暖かいです。
何といっても寒冷地ですから、暖かく過ごせる事に重点を置いています。

左側に見えている積み上がったレンガは、ペチカの煙突です。
おおよそ2000個のレンガを使っています。
この蓄熱量が堪らなくありがたいのです。


一階和室の天井です。
杉板の葉重ね張りになります。
横に並んでいる杉の竿も目が詰まっていて、美しかったです。

今日は床の間の工事中でしたが、床板も杉の大好きなお施主様に合わせて、杉の厚板です。
残念ながらカバーが掛けてあってお見せすることができません。



玄関脇の下駄箱を作っているところです。
この天板も杉の根元に近い厚板です。
木の生長に伴って応力が加わり、微妙な揺れを見せている年輪が何ともいえないですね。

この天板と和室の床板、それに天井竿が同じ杉の木から製材されたものです。
富士の「ふもと」という村から切り出された木は、どれも素直で美しいものが多いです。
標高や気温などが原村と似ていて、湿度はかなり高めになりますが、木の生育には良い環境なのでしょう。

資金を確保して、もっとストックを置きたいところです。


2009年6月26日金曜日

煙突工事


先日建前をしたS邸の屋根工事に伴って、煙突の取り付けです。

これまで長野県などは、特例措置があって、閉鎖型のストーブにあっては火気使用室の指定が緩和されていましたが、この4月から準不燃材料で仕上げなければならなくなっています。

この告示225号は、とっても難しい表現になっているので、どこかの先生に解説をお願いしたいところです。

今日は、中古住宅を購入されたお客様から、台所の黒カビが広がった木製天板を何とかして欲しいという事で、ステンレスの天板を張りに伺いました。

これが中々の大仕事になってしまい、ほぼ一日がかりとなりました。


ハーフセルフビルド


巣立て工事から一年目にほぼ出来上がり、お風呂が今年の正月に出来上がり、玄関の土間が、先週完成したとの事です。



二間間口の玄関は、さすが豪華です。
両側に大きな観葉植物を置いてもまだこのスペースが空いています。

この三和土は、赤土と二種類の小砂利、石灰と塩カルが混ぜてあり、所々に藁まじりのところもあるそうです。
コンクリートやタイルとは違った、独特の趣ですね。
風の森の関係で、三和土があるのは二軒目です。

古き良きものは、おしなべて手間が掛かっています。
なぜ現代がこんなに忙しいのか、ふと疑問に思います。
急行列車から飛び降りると、二度と列車に乗れないように感じてしまいますが、各駅停車もあり、よくよく見てみるといろんな電車が走っていますね。
要は、自分を含めた家族の身の始末の付け方と言う事でしょうか。
そこが大きな問題でもあるんですが。

2009年6月19日金曜日

上棟


土台に長ホゾの柱が立てられていきます。
長ホゾとはもちろんのこと、土台を貫通して、土台の底まで柱の芯材が届いている事です。
全てが折置組といって渡りあごという仕口で組合わさるため、柱の長さやホゾの向きがばらばらです。
とても複雑な構成になっていて、一種のパズルですね。


図板に法って、クレーンでつり上げる順番を考えながら玉掛けして行きます。
中央でノミを入れているのは、急遽丸太梁のところにダボ栓を入れる事になり、角穴を彫っています。
乾燥とともに丸太が動いてくるのを防止するためです。


カケヤで2本つなぎのところをはめ込んでいます。
追掛け大栓継ぎと言って、直線状に材をつないで行くときによく使われる仕口です。
最近、リビングなどの空間の上になるところは、金輪継ぎという仕口で、材が収縮してきても間隙が空かないような方法にしています。


敷地に生えていた栗の木を丸太梁として用い、その上に二階台が組み上がっています。
丸太に渡りあごを組んで行くのは、高さの関係がとても難しいです。
今回も栗の丸太は、アルカリによって灰汁出しを施しています。


無事上棟が済んで、屋根の垂木まで取付けられました。


何回見ても、整然と並んだカラマツの垂木は美しいです。


棟木と垂木の取り合いです。
棟木に垂木を大入れで彫り込んで落としています。
普通は上普請で行われるやり方ですが、風の森では並普請、安普請でも同じように手間をかけています。


化粧野地板張り。
いつも釘打ち機でやっていますが、残り時間わずかでもあり、一気に思いを込めた手打ち釘にて締めています。
今どきの現場ではあり得ない光景ですね。


一日の終わりに、清めの儀式です。
身を守り、人生を守ってくれる城が出来上がって行きます。

お施主様の一言、「あと20年も生きられれば良いと思っていたが、出来上がって行く様子を見て、あと100年生きたいと思った」とのことです。

還暦を過ぎて、大地との格闘の末、基礎工事を完工し、今日のめでたい上棟の日を迎え、感慨ひとしおの事と思います。
お金で済ませてしまえば、それまでの事ですが、この体験に代えられるものは無いと思います。
私を始め風の森の大工は、自分の家を建てる事でこの道に入ってきた人がほとんどなので、「セルフビルドの勧め」を社是に加えています。

2009年6月17日水曜日

丸太を製材所へ搬入


この春入荷した、富士の麓、竹川さんのところの杉・檜の最後の丸太です。
大型車で運ばれた4m材と5m材、4トン車に積んで2回分ありました。


柱材として製材するものと、太いものはカウンター材などにするために、丸挽きと言ってそのまま平行にスライスするだけのものがあります。
柱材を取る丸太も、周辺で窓枠や細ものの角材を取ったり、なるべく使えるところは使うようにしています。

先日も京都造形芸術大学の先生がこられ、ここまでやっている工務店はあまり聞いた事が無いとおっしゃっていました。
建築に於ける国内産木材の使用料が20%を切っている現在、そうなってしまったシステムは簡単には変わらないので、自分たちに出来る事を精一杯やっていくつもりです。

「既存の現実と闘うことではけっして物事を変えられない。何かを変えるためには既存のモデルを時代遅れにする新しいモデルを打ち立てよ」(フラー)です。
もっとも、昔は当たり前のことだったのですが。


2009年6月12日金曜日

外壁の準備


窓枠が付いて、ガラスも収まりました。

この後、間柱の取り付けが終われば、横桟を打ち付けます。
今回の外壁は、製材しただけの杉板を縦張りして、ジョイント部分に目板を打つやり方です。
風の森の仕様では、砥の粉塗りの他は、基本的に塗装をしないやり方なので、木質の保護とアクセントをねらって、ウッドロングエコを下処理に使う事になりました。



ウッドロングエコは、水に解いて使うので、特別な道具も何もいらず、ただ刷毛で塗るだけです。
すべて自然素材で出来ているので、安心して使うことができます。


土台


敷地には砕石が敷かれ、今日は土台も据えられました。

今回は、特々特例の一間おきの独立基礎なので、成(材料の高さ寸法)が6寸の材木を使っています。
例の一件以来、建築基準法が改定され、色々な規制が加えられています。
基礎については、コンクリートで一体として作られていなくてはならないのですが、今回は工事届けのみで着工が出来るエリアでもあり、コストを最優先させた工法となっています。


2009年6月7日日曜日

給水管


給水管の敷設が終わり、少し埋め戻しを始めました。
寒冷地なので、凍結防止ヒーターを取付け、保温材でカバーしています。
あと配水管を敷設すれば、全てを埋め戻し、建前の準備が出来上がります。
本業を抱えながらの工事であり、お天気にも左右されるので、思ったようなスケジュールでは事が運びません。
それら全てが、大切な思い出として残るのではないでしょうか。
最後まで残るのは、体験の価値ですから。



2009年6月6日土曜日

水道工事


先日のボイド管へのコンクリート打設がうまく行き、それぞれ綺麗なコンクリート面が出ています。
国の耐震基準によって、昨年よりJIS規格が変わり、生コンが打設しづらくなりましたが、丁寧にエア抜きの作業をしていただいたので、表面が滑らかに仕上がりました。

天候が不順で、なかなか進みませんが、今日から水道工事が始まりました。
木工事が進んで、後からやる場合が多いですが、今回はセルフビルドでもあり、基礎の埋め戻しをする前に、地下部分の配管を済ませる事になりました。
それぞれの給水設備に対して、13ミリの耐寒塩ビパイプをまわし、ライニング鉄管を立ち上げておきます。
その後、配水管を予定されている位置から、建物の外側まで排出できるように、1/100の下り勾配にしてまとめて行きます。
最終的に、同時進行で進めている浄化槽工事によって埋設されたタンクに接続します。



2009年6月4日木曜日

外壁工事


一階部分は、5分(15ミリ)の杉板(本実加工)を縦に張りました。
横に張る場合もありますが、縦張りだと何となく背筋がピンとする気がします。
 
二階部分は、漆喰壁になります。
以前は防水シートといって、アスファルトを浸透させたものを使っていましたが、透湿性と言って、室内の水蒸気を外に出す機能がないので、最近は防湿シートを使っています。
防湿シートは、ゴアテックスのようなもので、室内の水蒸気などを外に排出し、外の水分は室内に通さない性質があります。


二階の塗り壁下地です。
4分(12ミリ)の杉板が隙間を空けながら張ってあります。
木ずり下地にする場合は、防湿シートを内側に張りますが、杉板を使うと木の灰汁がモルタルを通して漆喰面にぼんやりと色を付けてしまいます。
通常、ラス網という金属網にモルタルを塗り付けますが、木ずりの場合は、トンボという麻ひもを小釘で留め付けて、それにモルタルを塗り込んで行きます。
これには手間が異常に掛かります。
最近はまた、ファイバーネットというものも使われ、モルタルを塗りながら、表面にネットを押さえ込んで行きます。その後から仕上塗りです。亀裂防止に使われています。

塗り壁材料も新製品が開発され、左官の技術もだんだんと消えて行くのでしょうか。

2009年6月3日水曜日

建替えの家


昨年建替えに付き、木工事と屋根工事を分離発注で引き受けた北杜市のお宅です。
基礎はそのまま活かしたいというご希望で、確認申請に難儀しましたが、お施主様が一級建築士の資格を持っていらしたので、なんとか工事にたどり着いた現場です。

4間半×7間という大きさに加え、反対側に三角に出たキッチンと洗面があります。
外観から見えている構造材は5寸角の柱と5寸幅の桁です。
4寸柱は、外観上大壁となって隠れています。
今回は、外観も内観も漆喰仕上という計画でしたので、4寸と5寸の差の1寸と言う幅に、漆喰壁と土台から屋根裏までの通気層を設けました。

冬はホンマ製作所の鋼鈑製ストーブ一つで、全館暖かかったそうです。
夏は、「窓を開けては昼寝も出来ない」ほど涼しかったということで、ご満足いただけた様子でした。


室内は、4寸の柱もすべて真壁で見えています。
幅木は、同じ北杜市のハンノキを製材乾燥しておいたものを使用しました。
一階床はひのきの無垢板。二階は40ミリの杉板が踏み天井になっています。

奥に見えている所がキッチンです。
ダイニングテーブルは、タモの無垢板をお施主様に用意していただいて、風の森で仕上げました。


右側がINAXのユニットバス、正面が洗面台です。
手前には収納もあり、変形のスペースですが使い勝手は良いようです。

ストーブ工事


今回はモキ製作所のSL70というストーブを設置しました。
SLというだけに、機関車トーマスのようなスタイルです。
空気の調節次第では、「ポッポッポ、、、」という音がして、本当に走り出しそうですね。

チップストーブの小型化したもので、赤松でも何でも燃やせるのが利点です。
薪として良いとされている「ミズナラ」や「クヌギ」を切り倒しては、森のクマさん達のごちそうが無くなってしまいます。
最近はCO2がらみで、バイオマス燃料がどうのと言って、薪ストーブの導入も促進しているようですが、何を燃やすかまで配慮していただきたいですね。