2010年12月27日月曜日

デザイナーズ

年末引渡し予定の家が完成しました。
風の森の標準仕様ではなく、有名建築家が設計された家です。
土地の選定、設計から完成まで、丸二年の歳月がかかりました。



これは空中浮揚して撮った写真。
では無くて高所作業車を使っての撮影です。
右側が母家で、二階が展示室とゲストルームになっています。
左側がガレージと工房で、鉄平石を敷いた通路でつながっています。



京都に拠点を置く、設計管理を担当された横内敏人建築設計事務所の横内先生の完了検査です。
工事に当たってはきめ細かな指示があり、職人もいつも通りとは行かず、真剣に取り組みました。



お施主様は、木工職人です。
このソファーやテーブルも手作りされたものです。
ダイニングテーブルも用意されたそうですが、引越し前に売れてしまったとの事。
今度はできたての工房で製作されるでしょう。



このキッチンセットもオーナーの作品です。
写真には写りきれませんでしたが、同じ仕様での吊り戸棚も付いています。
床はコルクタイルを張込みました。




こちらはリビングとキッチンを分けるカウンター収納です。
他にも玄関ドアや洗面台など様々な家具があります。
また改めてご紹介したいと思います。


2010年12月3日金曜日

ジャメ・コンタント号

世田谷区で行われる、「現代に蘇るジャメコンタント」というイベントへの協力依頼がありました。




100年以上前に作られて、人類史上初めて時速100キロを達成したという、ジャメコンタント号です。
それに似せてボディを作り、イベントに使うという事でした。
2日に納品、微調整を済ませてきましたが、このあとリハーサルに間に合わせるために、徹夜で駆動系や電気配線をするそうです。



リハーサルの様子です。
「決して満足しない」という意味のジャメコンタント。
日本EVクラブの舘内代表が、EV(電気自動車)の歴史を語りながら、本番ではボディを取払い、月面車に早変わりするようです。
決して満足しない人間の欲望は、月まで到達しても果てしないものだったという事でしょうか?
足るを知るという事は、出来そうで出来ない事なのでしょうね。



2010年10月9日土曜日

グリとグラ


遅くに蒔いた大豆がやっと花が咲き、実を付け始めました。
大雨のときに倒伏してしまったので、どんな様子か見てみたら、たくさん付いていた房が少なくなっています。
大豆の木を起こしてみたら、グリとグラのコロニーが出てきました。
良く見渡してみましたら、あちこちに集められた大豆の跡がありました。
彼らもこの冬は良質なタンパク質で乗り切れるかな?

おじさん達は、残り物をいただく事にしましょう。





森の中に作ってしまった菜園ですから、元々は鹿さん達の住処。
野ネズミやカミキリムシは、我が家にごちそうを作ってくれたと思うでしょう。

一応鹿除けネットを張り巡らせましたが、張りが弱かったのか、ネットに鼻を突っ込み刈り揃えたように大豆の葉を食べてくれました。
カボチャの葉っぱもネットから出たものは綺麗に食べて、ネットにぶら下がっていたカボチャにも挑戦したようです。
カボチャの生育が早かったのか、歯形は残っていましたが、食べる事は出来なかったようです。
フー!

最近は、タンジュン農法とかいう話が出回って来て、完熟ではない腐敗分の残る肥料などがあると、それを吸い上げた野菜に虫達が寄ってくるということらしい。
ミミズのいる土は良い土だと聞いていましたが、それはまだ腐敗分があるらしい。
栽培キノコの培地や木屑などを敷き込み、腐敗ではない醗酵や細菌による分解によって、植物に炭素を吸収させるらしい。
分かったような分からないような話なのですが、どうやらこの手法だと、虫が来ても卵は生まないらしい。
幼虫が成長する環境ではないと思うらしいのだ。

へぇー。


あおむしくん


夏になって葉ものがほとんど虫に食べられた。
葉脈だけを残して、すだれのようになったものや、丸ごと全部食べてしまうものや、点々と気に入ったところだけ食べている虫や、生態によって様々。

青虫、てんとう虫、青くない黒い芋虫みたいのや、イナゴ・ウマオイ・コオロギほか跳ね回る虫。
カミキリムシや黄金虫、カブトムシまで来ました。
もちろん虫達を狙うアマガエルやいろんなクモも縄張りを争っていました。
今日、カブトムシが白菜の葉の間で命尽きているのを発見しました。
今度はどこかから幼虫が出て来るのでしょうか?

友人は、「虫達にもごちそうを分けてあげなさいよ」と言うのですが、返事が出来ない。



それでも綿の花は咲き続けています。
今頃花が咲いても結実するのでしょうか?


2010年10月1日金曜日

古民家2


今日拝見した建物は、色々とユニークな部分がありました。

まず、屋根構造の一部になる出し桁という軒を大きく出す構造の部分が、4尺5寸ピッチで配られていました。
腰庇も同じく4尺5寸ピッチで出し桁を支えて軒を深くしています。
通常は6尺(1間)ピッチで構造を組む事が多いですが、出し桁を始め、部屋構造のモジュールも4尺5寸を単位にその倍数で空間をとっている部分がありました。
強度の問題ではなく、意匠として採用した単位のように思いました。
3尺ピッチというのは少ししつこすぎて、6尺と言うのも間延びした感じがあります。
平均身長との絡みもあるかもしれませんが、4尺5寸ピッチというものの美しさを発見しました。
10間半という大きさがあるにもかかわらず、とても繊細な感じを受けました。


屋根勾配が藁屋根のような急勾配ではなく、垂木も角材で1尺ピッチで配られている事から、お蔵などに多用されている、霧ヶ峰産出の鉄平石で屋根を葺いていたようです。
もちろん現在は修復されて鋼板噴きとなっています。

さてさてこの建物の行く末はどうなって行くのでしょう。
私たちも100年は十分に保つ住宅を造っていて、人の寿命より長いものがどうなってゆくのかは、とても気になります。

解体されずに甦る事を祈ります。




古民家


あっ! 激しく逆光になってしまった。

古民家を購入するにあたって、相談したいという突然の話で、現場を見に行く事になりました。
5間 ×10.5間の二階建て。
巨大と言っても良いくらいの建物でした。
大正時代の建物と聞きましたが、途中曵き家をしたり増築があったりしたようです。
構造はしっかりした物で、一部壁が傷んだりはしていましたが、まだまだ使えそうなものでした。



塗り壁も戦争中に空襲を避けるために黒く塗らされたところが名残りを残していて、歴史の証人としての重みを感じます。
古民家の改修にはとてもお金が掛かり、場合によっては新築の方が安上がりになってしまいます。
今回の物件は、4世帯が同居出来るほどですから、完璧に改修するのは気が遠くなるような労力を必要とするでしょう。
古民家の味わいを損なわないように改修すると、どうしても寒さだけは付いて回ります。
ファッションにも似て、美観と快適さを兼ね備えるのは難しいものですね。



2010年9月15日水曜日

畑に挑戦!

なかなか準備が整わず、6月末になってから畑を始めました。
以前にも何度か知り合いの畑を借りて栽培した経験がありますが、自宅から遠いところは無理だということが分かりました。
今回は自宅脇で挑戦しました。



友人から預かった綿の花が咲きました。
種を絶やしたくないということで3種類の苗を移植しましたが、結実までいけるでしょうか?



同じ一本の木ですが、だんだんと色が変わるそうです。
多分、白い綿だろうと。



キノカフェさんから分けていただいたナスです。
中々色づきが悪いと思っていたら、薄紫の種類だそうです。



こちらも同じ、みどりナス。
まだ収穫に至っていませんが、味は同じでしょうね。きっと。



最近よく見るようになった、バナナピーマン。
太った唐辛子のようですが、辛くないです。

来年はカラーピーマンに挑戦しようかな。
毎日植物達に水やりをしながら、こんなに自分が癒されるとは思ってもいませんでした。
仕事で帰りが遅くなると、ヘッドランプを点けながら水やりをしている自分が可笑しく思えます。


2010年8月25日水曜日

和菓子の「仙太郎」



お客様から「仙太郎」の和菓子をいただきました。

和菓子と一緒に、「仙太郎の独り言」という栞が入っていました。

それは私たちの家づくりと同じ想いであることに、うれしさがこみ上げてきました。

企業規模は遥かに及びませんが、今後とも精進して行きたいと願っています。





T様邸のその後


新緑の芽吹きの頃に建前をし、着々と工事を進めてきました。




長雨や急激な梅雨明け後の高温続きにもめげず、工事は順調です。

足場も外れ、全体像が現れました。

外壁は、杉板本実にウッドロングエコをお施主様が塗られたものを施工させていただきました。
T様邸もお施主様とのコラボになる部分を多く取り入れています。

来月始めには、職人による手作りの建具が入ります。

2010年8月24日火曜日

ありがたいお便り

ご無沙汰致しております。

まぁホントに色々と用事があるもので、ブログの更新をおろそかにしてしまいました。
今日は嬉しいお便りを頂戴し、思わず皆様にお知らせしたくなりました。



これからも不定期な更新になると思いますが、よろしくお願い致します。



2010年5月11日火曜日

うれしいお便り



昨年竣工しましたS様邸に新築祝いにお届けした郵便受けです。
この春、玄関脇に設置されたそうです。 が、




このほど行ってみて、郵便物はとふたを開けてみましたら、ご覧のようにヤマガラが巣を作っていたそうです。



五つ子ちゃんですね。

小鳥達も自然素材の家を気に入ってくれたと、ご報告がありました。

卵や雛達をねらっているものもいるので、無事に育ってほしいです。


2010年4月30日金曜日

浄化槽工事


こちらは基礎工事の後半から併行して行われている浄化槽の埋設工事です。
地方でも公共工事のお陰で下水道が一般的になってきましたが、人家が離れていたり、起伏の激しい地域ではこのような合併処理浄化槽の方が環境負荷も少ないと思います。
特に原村の指定は、BOD10ppmという一般の浄化槽の二倍の厳しい基準です。
通常の合併処理浄化槽が、20ppmですから二倍と言ってもこの差は大きいです。




浄化槽の埋設などは、地下水が溢れ出てくるので、ポンプで排水しながらの作業になります。
根切りという掘鑿作業をして、砕石・配筋・ベースコンクリート打と基礎工事と同じように進めて行きます。



これは浅間石と言われる、浅間山から産出される溶岩の固まったものです。
浄化槽から出た最終排水の水を処理するのに使われます。


これがトレンチと言われる最終排水の設備です。
青いネットの下では、有孔管の周りを先ほどの浅間石で囲っています。
トレンチは左右に2本配置されます。
真ん中の太いパイプは、左右に分ける分水枡です。



トレンチから埋設された浄化槽と基礎を見たところです。
浄化槽はGLと呼ばれる地面の高さにセットされています。
トレンチはさらに深いところにセットされます。
敷地全体は八ヶ岳から自然な傾斜で下って来ていますが、それぞれの配置が水の流れに逆らっていると思わぬトラブルが発生します。
よく起こるのが、集中豪雨の時など、トレンチに入って来た雨水が逆流して浄化槽に入り、トイレの水などが流れなくなることです。
それらを考慮して工事をすることが地域の自然を熟知した地元工務店の知恵でしょうか。
ちょっと自慢でした。


続、基礎工事


防水工事。
ここ原村では、大事なプロセスです。
村の土地全体が河原と言っても良いほどに、雨が降ると地下に浸透しきれずに表流水となって地表を川のごとく流れて行きます。
それほどに水が多いので、伏流水はもちろん凄いものがあります。
その対策として、写真の下半分は「防水モルタル」というもので表面処理しています。
ベタ基礎のベース部分と立ち上がりの部分は、いわゆるコールドジョイントになっています。
一発打で仕上げれば理想的なのでしょうが、現実の行程的には無理があります。



玄関などのスラブ打設、テラスの独立基礎なども終わり、基礎工事は終盤に入りました。
基礎周りを均一にならし、踏み固めてから犬走りと言われる、外の部分に砂利を敷いています。
寒冷地でない場合にはコンクリートで仕上げることが多いですが、この辺りでは砂利敷きがほとんどです。
どうしてもコンクリートにする場合には、基礎の立ち上がりと一体にして、基本的に地面から下1mのところから工事をしなければなりません。

コストを考えて、表面だけコンクリート仕上にしても、凍上に寄って2〜3年で浮き沈みし、コンクリートはクラックだらけになり、捨てるようになります。
また、基礎と一体でない場合には、ほんのわずかな隙間から水が入り、本体の基礎から年々離れて行きます。
日本列島とハワイはどんどん近づいているようですが、そう言うのとは話が違うようです。



機械を使うといっても、本当に器用に使いこなすものです。
ほぼ同じ厚みになるように、砂利を撒いて行きます。



出来上がった基礎の真ん中に、丸いくぼみが作ってあります。
これは基礎の仕上りから建前屋根工事までに時間があると、雨水で池が出来てしまうので、中の水をポンプで組み上げるのに都合よくしてあります。
そうは言っても簡単に中央集まってはくれないのですが、、、。



ここでもやはり、最後は人の手で!
腕の良い息子さんとこのお母さんの二人でほとんどの仕事をこなしてしまいます。
こちらのお母さんは、バックホーのオペレーターもやります。
「こんなものは訳は無いわい」と軽々と。
それでも脳梗塞で2〜3度倒れ、今はちょうど良いという息子さんの話です。

諏訪の女はあなどるなかれ!



2010年4月23日金曜日

基礎工事



基礎工事も後半戦です。
砕石地業の次の、ベタ基礎と呼ばれるベース部分の配筋作業が終了し、立ち上がり部分の配筋工事中です。
決められた鉄筋の太さとピッチに従って正確に組み上げられて行きます。



ほぼ立ち上がり部分が出来上がったところです。
この後、コーナー部分など必要なところに補強筋を入れて行きます。



結束線と言われる針金で鉄筋同士を結んでいるところです。
以前は、ハッカと呼ばれる先端が鉤状になったクルクルまわる道具でやっていたものですが、何でも機械化され、楽に作業が出来るようになりました。



ベースコンクリートの打設の後、鋼製枠を組んでいる様子です。
いまでもコンパネと呼ばれている合板で枠を組んでいるところも多いです。
いつもお願いしている職人さんは、早くから鋼製の型枠を取り入れています。
同じ在来構法でも、設計によりモジュールが微妙に違っています。
本来1間=1818ミリなのですが、設計の都合上、1820に丸めて図面を書くことが多くなっています。
鋼製枠もそれに合わせて、2種類用意しているそうです。
もちろん伝統を重んじる風の森では、1818のモジュールを頑固に守っています。




立ち上がり部のコンクリート打設風景です。
天気が定まらない中、霧雨の中で作業をしていただきました。
こちらもコンクリート圧送車という便利な機械で、生コンのミキサー車から自在にコンクリートを流してくれます。
それこそ昔は、道板という足場板の上を一輪車に入れた生コンを、人力で器用に運んで流していたものです。
なんだか昔話になってきましたね。



最後は人の手でならして行きます。
時間が経つと水分が徐々に抜けて行き、さらにカナゴテで押さえる事によって仕上りに格段の差が出てきます。



バイブレーターで生コンの中の空気を抜いています。

左側の型枠の内側に磁石でところどころマーキングがしてあります。
天端をならした後に水が引いてから、天端レベラーというモルタルよりも緩いセメントを溶いだ様なもので正確な水平を作って行きます。
この仕上りで腕の差がはっきりと分かります。

さて、仕上りが楽しみです。




2010年4月17日土曜日

季節外れの雪


各地に換気をもたらした低気圧の影響で、季節外れの大雪となりました。
自宅のあたりでは、25センチほどになりました。
以前、5月3日に雪が降った事がありましたが、せいぜい4〜5センチです。
世界中が、旱魃や洪水という極端な気候の影響を受けている中で、日本だけが安泰という訳にはいかないのでしょう。

環太平洋地震帯の中で、未だに被害がないのは日本と北米だけのようです。
そろそろ覚悟を含めて、非常時の用意をした方が良いのでしょうか。



森の樹木の中でも真っ先に花をつけるのが、この写真の柳の木です。

既に満開の状態なのに、すっぽりと雪をかぶってしまいました。
これがホントのユキヤナギなんちゃって!

おじさんも今日で56歳になっちゃいました。


2010年4月10日土曜日

春を告げる花


森の中で一番に花をつけるのが、アズマイチゲというこの花です。
落ち葉の間から、パット開いた真っ白な花は、優しく春の訪れを知らせてくれます。
晴れた日には、大きく開きますが、夕方には閉じてしまいます。
曇りの日にも開いてくれません。
この可憐な感じが何とも言えません。



花のまわりの緑は、ヒメザゼンソウの芽です。
花は、地中に付けるらしく、見た事がありません。
シュウ酸が強く、美味しそうなのに食べることができません。

この後は、ニリンソウや日本桜草が咲いてきます。
まだしばらく掛かりますがね。


2010年4月9日金曜日

地鎮祭


御柱祭の合間を縫って、諏訪大社の神主さんをお願いしての本格的な地鎮祭です。
さすが堂々としていますね。

いつもはそれぞれの流儀に従って、個人的にその土地の神様にご挨拶したり、地域の祭り事を執り行う神職の方にお願いしたりと、様々な形で地鎮祭が行われています。



お施主様、設計事務所の方と職方など総勢9名で臨みました。
本当に良く晴れ渡り、幸先の良いスタートとなりました。

無事竣工出来ますように!