今日拝見した建物は、色々とユニークな部分がありました。
まず、屋根構造の一部になる出し桁という軒を大きく出す構造の部分が、4尺5寸ピッチで配られていました。
腰庇も同じく4尺5寸ピッチで出し桁を支えて軒を深くしています。
通常は6尺(1間)ピッチで構造を組む事が多いですが、出し桁を始め、部屋構造のモジュールも4尺5寸を単位にその倍数で空間をとっている部分がありました。
強度の問題ではなく、意匠として採用した単位のように思いました。
3尺ピッチというのは少ししつこすぎて、6尺と言うのも間延びした感じがあります。
平均身長との絡みもあるかもしれませんが、4尺5寸ピッチというものの美しさを発見しました。
10間半という大きさがあるにもかかわらず、とても繊細な感じを受けました。
屋根勾配が藁屋根のような急勾配ではなく、垂木も角材で1尺ピッチで配られている事から、お蔵などに多用されている、霧ヶ峰産出の鉄平石で屋根を葺いていたようです。
もちろん現在は修復されて鋼板噴きとなっています。
さてさてこの建物の行く末はどうなって行くのでしょう。
私たちも100年は十分に保つ住宅を造っていて、人の寿命より長いものがどうなってゆくのかは、とても気になります。
解体されずに甦る事を祈ります。
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