2009年7月11日土曜日

どうして国産材なのかって?


写真は、製材からあがってきた国産の檜やカラマツの板で、乾燥させるための下処理をするところです。

先日、「これだけ輸入材が流通しているのに、いまさらどうして国産材でないといけないのか?」という声を聞きました。
私としては「はぁっ!?」と逆に、何を考えているんだろうと思ってしまいましたが、現実としては、圧倒的にこういう方が多いんでしょうね。それも建築関係者だという。

最近はフードマイレージと言って、その食べ物がどのくらいの距離を渡って運ばれてきたかということで、環境的な指数を表現するようにもなってきましたが、ウッドマイレージという言葉も使われるようになってきました。
食料の自給率が、約40%と言われています。これも統計的な数字で、問題はあります。
日本では、輸入したとほぼ同じ位の食料を無駄にしています。
木材の自給率はというと、なんと20%までになっています。
ちょっと田舎に行けば、見渡す限りの「みどり・ミドリ・緑」なのに、需要木材の80%を輸入に頼っている。
自給している20%の大部分はチップなどに使用され、住宅用は10%を切っているという話もあります。
よその国の国土を砂漠化したり、表土の流出に遭わせてしまったりしているのも、お金で森を買いあさってきたからです。日本に森がこんなにあるのにです。


食に関しては、「身土不二」という宝のような言葉があります。身体とそのからだを養う大地は二つとない、というような意味だと思うのですが、オーガニックフードの世界では、代表的な表現ですね。
「食」にとことんこだわる人でも、住に関してはまだまだ感心が薄いように思います。
「衣・食・住」と一口に言われますが、住に関しては費用を含めそう簡単には個人の想いを実現するのが難しいからでしょうか。

流通の問題もあります。
でも、出来るところから日本の木を使い、消費を増やして行かなければ、日本の山は綺麗になって行きません。
戦後急激に増えた人工林は、消費のために作られた森です。
それを放置すれば、やはり表土の流出や荒廃につながっていきます。

国は、規制緩和の一環で、国有林も民営化しようとしています。
いのちの水源を自由化し払い下げられたらどうなってゆくのでしょう。
大自然の逆襲は、もう始まっているのかもしれません。


4 件のコメント:

  1. 地域の森の木々は、煮炊きやぬくもりをえる燃料としたり、秋に落ちた葉は田畑の肥料にと暮らしに欠かせない資源だったんですよね。
    暮らしを支えていた里山は開かれ人家が点在しています。
    原村は近隣市町に比べると宅地化が進み森林面積が非常に少なくなっています。
    地域の森の材を使う事も含め、これ以上森が開かれない事を祈ります。

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  2. 明日は 近くの山で 毎月のプチ間伐です 鋸谷式

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  3. akko さん ありがとう。
    今や入会地さへ誰も入らず、荒れ放題。個人の山も蔓に引かれてなぎ倒される始末となっています。
    元々森林面積が少ないですから、宅地が点在する程度ならダメージも少ないですが、三井や松電の大規模開発は元には戻らないでしょう。
    地域の材を使うと言っても、使う人がいない。間伐しても放置しては、却ってマイナス。問題は大きいですね。

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  4. sinran さん あらためて、こんにちは。
    山仕事はつらいです。60年やったきこりが、楽しい事は何も無かったと!
    間伐は、以外と技術を要する仕事で、かかり木など危険ですから気をつけてくださいな。
    日本の山は、とにかく間伐。
    間伐しなければ、山が死んでいきますね。
    植林は植えるだけ無駄のような実態です。

    こつこつ頑張っていきましょう。

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