2009年6月26日金曜日

煙突工事


先日建前をしたS邸の屋根工事に伴って、煙突の取り付けです。

これまで長野県などは、特例措置があって、閉鎖型のストーブにあっては火気使用室の指定が緩和されていましたが、この4月から準不燃材料で仕上げなければならなくなっています。

この告示225号は、とっても難しい表現になっているので、どこかの先生に解説をお願いしたいところです。

今日は、中古住宅を購入されたお客様から、台所の黒カビが広がった木製天板を何とかして欲しいという事で、ステンレスの天板を張りに伺いました。

これが中々の大仕事になってしまい、ほぼ一日がかりとなりました。


ハーフセルフビルド


巣立て工事から一年目にほぼ出来上がり、お風呂が今年の正月に出来上がり、玄関の土間が、先週完成したとの事です。



二間間口の玄関は、さすが豪華です。
両側に大きな観葉植物を置いてもまだこのスペースが空いています。

この三和土は、赤土と二種類の小砂利、石灰と塩カルが混ぜてあり、所々に藁まじりのところもあるそうです。
コンクリートやタイルとは違った、独特の趣ですね。
風の森の関係で、三和土があるのは二軒目です。

古き良きものは、おしなべて手間が掛かっています。
なぜ現代がこんなに忙しいのか、ふと疑問に思います。
急行列車から飛び降りると、二度と列車に乗れないように感じてしまいますが、各駅停車もあり、よくよく見てみるといろんな電車が走っていますね。
要は、自分を含めた家族の身の始末の付け方と言う事でしょうか。
そこが大きな問題でもあるんですが。

2009年6月19日金曜日

上棟


土台に長ホゾの柱が立てられていきます。
長ホゾとはもちろんのこと、土台を貫通して、土台の底まで柱の芯材が届いている事です。
全てが折置組といって渡りあごという仕口で組合わさるため、柱の長さやホゾの向きがばらばらです。
とても複雑な構成になっていて、一種のパズルですね。


図板に法って、クレーンでつり上げる順番を考えながら玉掛けして行きます。
中央でノミを入れているのは、急遽丸太梁のところにダボ栓を入れる事になり、角穴を彫っています。
乾燥とともに丸太が動いてくるのを防止するためです。


カケヤで2本つなぎのところをはめ込んでいます。
追掛け大栓継ぎと言って、直線状に材をつないで行くときによく使われる仕口です。
最近、リビングなどの空間の上になるところは、金輪継ぎという仕口で、材が収縮してきても間隙が空かないような方法にしています。


敷地に生えていた栗の木を丸太梁として用い、その上に二階台が組み上がっています。
丸太に渡りあごを組んで行くのは、高さの関係がとても難しいです。
今回も栗の丸太は、アルカリによって灰汁出しを施しています。


無事上棟が済んで、屋根の垂木まで取付けられました。


何回見ても、整然と並んだカラマツの垂木は美しいです。


棟木と垂木の取り合いです。
棟木に垂木を大入れで彫り込んで落としています。
普通は上普請で行われるやり方ですが、風の森では並普請、安普請でも同じように手間をかけています。


化粧野地板張り。
いつも釘打ち機でやっていますが、残り時間わずかでもあり、一気に思いを込めた手打ち釘にて締めています。
今どきの現場ではあり得ない光景ですね。


一日の終わりに、清めの儀式です。
身を守り、人生を守ってくれる城が出来上がって行きます。

お施主様の一言、「あと20年も生きられれば良いと思っていたが、出来上がって行く様子を見て、あと100年生きたいと思った」とのことです。

還暦を過ぎて、大地との格闘の末、基礎工事を完工し、今日のめでたい上棟の日を迎え、感慨ひとしおの事と思います。
お金で済ませてしまえば、それまでの事ですが、この体験に代えられるものは無いと思います。
私を始め風の森の大工は、自分の家を建てる事でこの道に入ってきた人がほとんどなので、「セルフビルドの勧め」を社是に加えています。

2009年6月17日水曜日

丸太を製材所へ搬入


この春入荷した、富士の麓、竹川さんのところの杉・檜の最後の丸太です。
大型車で運ばれた4m材と5m材、4トン車に積んで2回分ありました。


柱材として製材するものと、太いものはカウンター材などにするために、丸挽きと言ってそのまま平行にスライスするだけのものがあります。
柱材を取る丸太も、周辺で窓枠や細ものの角材を取ったり、なるべく使えるところは使うようにしています。

先日も京都造形芸術大学の先生がこられ、ここまでやっている工務店はあまり聞いた事が無いとおっしゃっていました。
建築に於ける国内産木材の使用料が20%を切っている現在、そうなってしまったシステムは簡単には変わらないので、自分たちに出来る事を精一杯やっていくつもりです。

「既存の現実と闘うことではけっして物事を変えられない。何かを変えるためには既存のモデルを時代遅れにする新しいモデルを打ち立てよ」(フラー)です。
もっとも、昔は当たり前のことだったのですが。


2009年6月12日金曜日

外壁の準備


窓枠が付いて、ガラスも収まりました。

この後、間柱の取り付けが終われば、横桟を打ち付けます。
今回の外壁は、製材しただけの杉板を縦張りして、ジョイント部分に目板を打つやり方です。
風の森の仕様では、砥の粉塗りの他は、基本的に塗装をしないやり方なので、木質の保護とアクセントをねらって、ウッドロングエコを下処理に使う事になりました。



ウッドロングエコは、水に解いて使うので、特別な道具も何もいらず、ただ刷毛で塗るだけです。
すべて自然素材で出来ているので、安心して使うことができます。


土台


敷地には砕石が敷かれ、今日は土台も据えられました。

今回は、特々特例の一間おきの独立基礎なので、成(材料の高さ寸法)が6寸の材木を使っています。
例の一件以来、建築基準法が改定され、色々な規制が加えられています。
基礎については、コンクリートで一体として作られていなくてはならないのですが、今回は工事届けのみで着工が出来るエリアでもあり、コストを最優先させた工法となっています。


2009年6月7日日曜日

給水管


給水管の敷設が終わり、少し埋め戻しを始めました。
寒冷地なので、凍結防止ヒーターを取付け、保温材でカバーしています。
あと配水管を敷設すれば、全てを埋め戻し、建前の準備が出来上がります。
本業を抱えながらの工事であり、お天気にも左右されるので、思ったようなスケジュールでは事が運びません。
それら全てが、大切な思い出として残るのではないでしょうか。
最後まで残るのは、体験の価値ですから。



2009年6月6日土曜日

水道工事


先日のボイド管へのコンクリート打設がうまく行き、それぞれ綺麗なコンクリート面が出ています。
国の耐震基準によって、昨年よりJIS規格が変わり、生コンが打設しづらくなりましたが、丁寧にエア抜きの作業をしていただいたので、表面が滑らかに仕上がりました。

天候が不順で、なかなか進みませんが、今日から水道工事が始まりました。
木工事が進んで、後からやる場合が多いですが、今回はセルフビルドでもあり、基礎の埋め戻しをする前に、地下部分の配管を済ませる事になりました。
それぞれの給水設備に対して、13ミリの耐寒塩ビパイプをまわし、ライニング鉄管を立ち上げておきます。
その後、配水管を予定されている位置から、建物の外側まで排出できるように、1/100の下り勾配にしてまとめて行きます。
最終的に、同時進行で進めている浄化槽工事によって埋設されたタンクに接続します。



2009年6月4日木曜日

外壁工事


一階部分は、5分(15ミリ)の杉板(本実加工)を縦に張りました。
横に張る場合もありますが、縦張りだと何となく背筋がピンとする気がします。
 
二階部分は、漆喰壁になります。
以前は防水シートといって、アスファルトを浸透させたものを使っていましたが、透湿性と言って、室内の水蒸気を外に出す機能がないので、最近は防湿シートを使っています。
防湿シートは、ゴアテックスのようなもので、室内の水蒸気などを外に排出し、外の水分は室内に通さない性質があります。


二階の塗り壁下地です。
4分(12ミリ)の杉板が隙間を空けながら張ってあります。
木ずり下地にする場合は、防湿シートを内側に張りますが、杉板を使うと木の灰汁がモルタルを通して漆喰面にぼんやりと色を付けてしまいます。
通常、ラス網という金属網にモルタルを塗り付けますが、木ずりの場合は、トンボという麻ひもを小釘で留め付けて、それにモルタルを塗り込んで行きます。
これには手間が異常に掛かります。
最近はまた、ファイバーネットというものも使われ、モルタルを塗りながら、表面にネットを押さえ込んで行きます。その後から仕上塗りです。亀裂防止に使われています。

塗り壁材料も新製品が開発され、左官の技術もだんだんと消えて行くのでしょうか。

2009年6月3日水曜日

建替えの家


昨年建替えに付き、木工事と屋根工事を分離発注で引き受けた北杜市のお宅です。
基礎はそのまま活かしたいというご希望で、確認申請に難儀しましたが、お施主様が一級建築士の資格を持っていらしたので、なんとか工事にたどり着いた現場です。

4間半×7間という大きさに加え、反対側に三角に出たキッチンと洗面があります。
外観から見えている構造材は5寸角の柱と5寸幅の桁です。
4寸柱は、外観上大壁となって隠れています。
今回は、外観も内観も漆喰仕上という計画でしたので、4寸と5寸の差の1寸と言う幅に、漆喰壁と土台から屋根裏までの通気層を設けました。

冬はホンマ製作所の鋼鈑製ストーブ一つで、全館暖かかったそうです。
夏は、「窓を開けては昼寝も出来ない」ほど涼しかったということで、ご満足いただけた様子でした。


室内は、4寸の柱もすべて真壁で見えています。
幅木は、同じ北杜市のハンノキを製材乾燥しておいたものを使用しました。
一階床はひのきの無垢板。二階は40ミリの杉板が踏み天井になっています。

奥に見えている所がキッチンです。
ダイニングテーブルは、タモの無垢板をお施主様に用意していただいて、風の森で仕上げました。


右側がINAXのユニットバス、正面が洗面台です。
手前には収納もあり、変形のスペースですが使い勝手は良いようです。

ストーブ工事


今回はモキ製作所のSL70というストーブを設置しました。
SLというだけに、機関車トーマスのようなスタイルです。
空気の調節次第では、「ポッポッポ、、、」という音がして、本当に走り出しそうですね。

チップストーブの小型化したもので、赤松でも何でも燃やせるのが利点です。
薪として良いとされている「ミズナラ」や「クヌギ」を切り倒しては、森のクマさん達のごちそうが無くなってしまいます。
最近はCO2がらみで、バイオマス燃料がどうのと言って、薪ストーブの導入も促進しているようですが、何を燃やすかまで配慮していただきたいですね。


2009年6月2日火曜日

一歩一歩


今日は、土地を入手する前に掘ってあった井戸に、ポンプを据え付けました。
とはいっても、仮設水道で、冬前には本格的なポンプ小屋に収める予定です。


準備から初めて2時間、待望の水が勢い良く出ています。
これでポリタンクでもらい水をしながらの生活から解放です。
蛇口をひねれば水が出て、スイッチを入れれば明かりが付く事が当たり前の世の中ですが、一つ一つを自ら体験しながらインフラを整えて行く事は、今後の人生での危機管理上、とても有意義な事ではないでしょうか。


二期工事を目指して、基礎工事が進んで行きます。
見た目以上にある勾配で、どうしても基本基礎高が上がります。
基礎を初め、水道工事など、寒冷地はいろいろとコストが嵩んできます。

2009年6月1日月曜日

ボイド管へのコンクリート打設


天気も良く、コンクリート作業にはもってこいの日でした。
これでコンクリート打ちは、ひとまず終了。

今日はSさんの気の置けない友人のKさんというご夫人がお手伝いをしていました。
あまり知られていないと思いますが、シドニー・ポワチエが出ていた「野のゆり」という映画を思い出してしまいました。

さて、どんな建物が出来るのでしょう。