2010年4月30日金曜日

浄化槽工事


こちらは基礎工事の後半から併行して行われている浄化槽の埋設工事です。
地方でも公共工事のお陰で下水道が一般的になってきましたが、人家が離れていたり、起伏の激しい地域ではこのような合併処理浄化槽の方が環境負荷も少ないと思います。
特に原村の指定は、BOD10ppmという一般の浄化槽の二倍の厳しい基準です。
通常の合併処理浄化槽が、20ppmですから二倍と言ってもこの差は大きいです。




浄化槽の埋設などは、地下水が溢れ出てくるので、ポンプで排水しながらの作業になります。
根切りという掘鑿作業をして、砕石・配筋・ベースコンクリート打と基礎工事と同じように進めて行きます。



これは浅間石と言われる、浅間山から産出される溶岩の固まったものです。
浄化槽から出た最終排水の水を処理するのに使われます。


これがトレンチと言われる最終排水の設備です。
青いネットの下では、有孔管の周りを先ほどの浅間石で囲っています。
トレンチは左右に2本配置されます。
真ん中の太いパイプは、左右に分ける分水枡です。



トレンチから埋設された浄化槽と基礎を見たところです。
浄化槽はGLと呼ばれる地面の高さにセットされています。
トレンチはさらに深いところにセットされます。
敷地全体は八ヶ岳から自然な傾斜で下って来ていますが、それぞれの配置が水の流れに逆らっていると思わぬトラブルが発生します。
よく起こるのが、集中豪雨の時など、トレンチに入って来た雨水が逆流して浄化槽に入り、トイレの水などが流れなくなることです。
それらを考慮して工事をすることが地域の自然を熟知した地元工務店の知恵でしょうか。
ちょっと自慢でした。


続、基礎工事


防水工事。
ここ原村では、大事なプロセスです。
村の土地全体が河原と言っても良いほどに、雨が降ると地下に浸透しきれずに表流水となって地表を川のごとく流れて行きます。
それほどに水が多いので、伏流水はもちろん凄いものがあります。
その対策として、写真の下半分は「防水モルタル」というもので表面処理しています。
ベタ基礎のベース部分と立ち上がりの部分は、いわゆるコールドジョイントになっています。
一発打で仕上げれば理想的なのでしょうが、現実の行程的には無理があります。



玄関などのスラブ打設、テラスの独立基礎なども終わり、基礎工事は終盤に入りました。
基礎周りを均一にならし、踏み固めてから犬走りと言われる、外の部分に砂利を敷いています。
寒冷地でない場合にはコンクリートで仕上げることが多いですが、この辺りでは砂利敷きがほとんどです。
どうしてもコンクリートにする場合には、基礎の立ち上がりと一体にして、基本的に地面から下1mのところから工事をしなければなりません。

コストを考えて、表面だけコンクリート仕上にしても、凍上に寄って2〜3年で浮き沈みし、コンクリートはクラックだらけになり、捨てるようになります。
また、基礎と一体でない場合には、ほんのわずかな隙間から水が入り、本体の基礎から年々離れて行きます。
日本列島とハワイはどんどん近づいているようですが、そう言うのとは話が違うようです。



機械を使うといっても、本当に器用に使いこなすものです。
ほぼ同じ厚みになるように、砂利を撒いて行きます。



出来上がった基礎の真ん中に、丸いくぼみが作ってあります。
これは基礎の仕上りから建前屋根工事までに時間があると、雨水で池が出来てしまうので、中の水をポンプで組み上げるのに都合よくしてあります。
そうは言っても簡単に中央集まってはくれないのですが、、、。



ここでもやはり、最後は人の手で!
腕の良い息子さんとこのお母さんの二人でほとんどの仕事をこなしてしまいます。
こちらのお母さんは、バックホーのオペレーターもやります。
「こんなものは訳は無いわい」と軽々と。
それでも脳梗塞で2〜3度倒れ、今はちょうど良いという息子さんの話です。

諏訪の女はあなどるなかれ!



2010年4月23日金曜日

基礎工事



基礎工事も後半戦です。
砕石地業の次の、ベタ基礎と呼ばれるベース部分の配筋作業が終了し、立ち上がり部分の配筋工事中です。
決められた鉄筋の太さとピッチに従って正確に組み上げられて行きます。



ほぼ立ち上がり部分が出来上がったところです。
この後、コーナー部分など必要なところに補強筋を入れて行きます。



結束線と言われる針金で鉄筋同士を結んでいるところです。
以前は、ハッカと呼ばれる先端が鉤状になったクルクルまわる道具でやっていたものですが、何でも機械化され、楽に作業が出来るようになりました。



ベースコンクリートの打設の後、鋼製枠を組んでいる様子です。
いまでもコンパネと呼ばれている合板で枠を組んでいるところも多いです。
いつもお願いしている職人さんは、早くから鋼製の型枠を取り入れています。
同じ在来構法でも、設計によりモジュールが微妙に違っています。
本来1間=1818ミリなのですが、設計の都合上、1820に丸めて図面を書くことが多くなっています。
鋼製枠もそれに合わせて、2種類用意しているそうです。
もちろん伝統を重んじる風の森では、1818のモジュールを頑固に守っています。




立ち上がり部のコンクリート打設風景です。
天気が定まらない中、霧雨の中で作業をしていただきました。
こちらもコンクリート圧送車という便利な機械で、生コンのミキサー車から自在にコンクリートを流してくれます。
それこそ昔は、道板という足場板の上を一輪車に入れた生コンを、人力で器用に運んで流していたものです。
なんだか昔話になってきましたね。



最後は人の手でならして行きます。
時間が経つと水分が徐々に抜けて行き、さらにカナゴテで押さえる事によって仕上りに格段の差が出てきます。



バイブレーターで生コンの中の空気を抜いています。

左側の型枠の内側に磁石でところどころマーキングがしてあります。
天端をならした後に水が引いてから、天端レベラーというモルタルよりも緩いセメントを溶いだ様なもので正確な水平を作って行きます。
この仕上りで腕の差がはっきりと分かります。

さて、仕上りが楽しみです。




2010年4月17日土曜日

季節外れの雪


各地に換気をもたらした低気圧の影響で、季節外れの大雪となりました。
自宅のあたりでは、25センチほどになりました。
以前、5月3日に雪が降った事がありましたが、せいぜい4〜5センチです。
世界中が、旱魃や洪水という極端な気候の影響を受けている中で、日本だけが安泰という訳にはいかないのでしょう。

環太平洋地震帯の中で、未だに被害がないのは日本と北米だけのようです。
そろそろ覚悟を含めて、非常時の用意をした方が良いのでしょうか。



森の樹木の中でも真っ先に花をつけるのが、この写真の柳の木です。

既に満開の状態なのに、すっぽりと雪をかぶってしまいました。
これがホントのユキヤナギなんちゃって!

おじさんも今日で56歳になっちゃいました。


2010年4月10日土曜日

春を告げる花


森の中で一番に花をつけるのが、アズマイチゲというこの花です。
落ち葉の間から、パット開いた真っ白な花は、優しく春の訪れを知らせてくれます。
晴れた日には、大きく開きますが、夕方には閉じてしまいます。
曇りの日にも開いてくれません。
この可憐な感じが何とも言えません。



花のまわりの緑は、ヒメザゼンソウの芽です。
花は、地中に付けるらしく、見た事がありません。
シュウ酸が強く、美味しそうなのに食べることができません。

この後は、ニリンソウや日本桜草が咲いてきます。
まだしばらく掛かりますがね。


2010年4月9日金曜日

地鎮祭


御柱祭の合間を縫って、諏訪大社の神主さんをお願いしての本格的な地鎮祭です。
さすが堂々としていますね。

いつもはそれぞれの流儀に従って、個人的にその土地の神様にご挨拶したり、地域の祭り事を執り行う神職の方にお願いしたりと、様々な形で地鎮祭が行われています。



お施主様、設計事務所の方と職方など総勢9名で臨みました。
本当に良く晴れ渡り、幸先の良いスタートとなりました。

無事竣工出来ますように!


砕石地業


基礎工事も進んで、根切りという掘鑿の作業が終わり、砕石地業と呼ばれる砂利を敷き詰めたところです。
もちろんこの細かな砂利の下は、グリ石と呼ばれる、大きめの石が沢山並べられています。
この後配筋と言って、鉄筋を20㎝ピッチで並べて行く作業になります。

今年は御柱祭とかぶってしまって、大忙しの作業になっています。